サングラスの瞳に映るもの　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.

　視線が痛い。

　北松戸に向かう為、府中本町駅。

　乗り換えて、武蔵野線。

　その乗り換えでの停車中。

　座席に座って、今回の道中で飲食を許されていた、「宇宙食バニラアイス」を食べてみた。

　発泡スチロールに甘い粉がついてる。

　おいしい。

　おいしいなー。

　おじいさん　「すいません、この列車は東京駅にいくのかね？」

　私に聞くのか。

　親切丁寧に教えました。

　スーツ・黒コート・サングラス・ネコミミ・宇宙食。

　世の中のミステリーを凝縮したような僕にわざわざ聞かなくても。

　あのおじいさんは世界最強の人だったのかもしれない。

　　神社までは何マイル？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.

　ついた。

　そろそろ15時が近いから、目的地が矢向駅にスイッチするかもしれない。

　北松戸に近づいて、そのスイッチのタイミングでこの呪いのアイテムを押し付けたい。

　もう、その望みにすがらないと、歩けない。

　あ、また笑い声が聞こ

　カードドロー。

　この姿で外を歩けとおっしゃるか。

　おっしゃるか。

　駅、出ました。

　寒い。風が物凄く冷たい。

　痛い。視線が物凄く痛い。

　見つからない。この姿では人に聞く事すら困難だ…。

　嗚呼…。

　諦めよう。

　サイコロスロー。

　　嘘だと言ってよ、ハニィ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.

　戻ってきました。

　それじゃカードｄ

　計画通りだ。

　戻るとみせかけて矢向駅に近づく策ッ！！

　ネコミミは移せなかったが、矢向に一番近いのは私ッ！

　最後の錦は私が飾るッ！！

　あえて二度言おう！

　僕はここで勝ち、25年間スゴロク無勝伝説に終止符を打つッ！！！
　僕の人生に常に覆いかぶさる、「ネタ芸人的運命」を打ち破る為に僕はここに来たッ！！

　新松戸を狙ったのは青と私のみ。全体に大減点が走る。

　私がダントツでビリだが、この際もはや構うまい。

　主催として、最後だけはこの私が幕を下ろすのだ！！

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